
「だが、情熱はある」のドラマで藤井隆さんのモデルが故・前田健さん(通称マエケン)ということをご存じではない方もいるようで時の流れを感じます。下積み時代のオードリーにとって前田健さんは恩人でしたが、2016年に帰らぬ人となってしまいました。藤井隆さんが演じる谷勝太(谷ショー)を見ていると、在りし日の前田健さんを思い出します。今回は藤井隆さん演じる前田健さんとオードリーの関係性についてご紹介します。
だが、情熱はある 藤井隆モデルの前田健(谷勝太)がめちゃくちゃ良くて感動してしまう
「だが、情熱はある」のドラマの中で藤井隆さん演じる谷勝太が若林さん(高橋海人)に最初に出会ったとき、「あなた、みんな〇んじゃえって顔してるね」と言いました。
このドラマはほぼ全てノンフィクションですがこのセリフも実話で、オードリー若林さんは実際にラジオ(オールナイトニッポン)でも当時のエピソードとして語っています。
初対面の人にいきなりこんなこと言えるって、すごいですよね。
ラジオでのトークによれば、若林さんにとって下積み時代の20代は「思い出したくもない」日々だったと度々語っているので、周囲に対して相当敵意むき出しの表情をしていたのかもしれません。
ナイスミドル時代の2人とマエケンさんのエピソードはラジオも多く語られています。
必死にネタを書く日々を送っていた若林さんを横目に、ネタも書かず遊び歩いてはバイトやステージに遅刻を繰り返していた春日さんに対してファミレスでこっぴどく叱責したエピソードなんかもあります。(青梅街道沿いの杉並のジョナサン)
数時間にわたって前田健さんから説教を受けた春日さんは、そのあと全身に蕁麻疹ができたそうです。
だけどそれだけ前田健さんはナイスミドルのことを想っていたということですよね。
ドラマでも描かれていますが、当時春日さんはナイスミドルが前説を行なっていたショーパブ「モノマネ館キサラ」でバイトをしていました。前田健さんはそのキサラのステージにレギュラー出演していたこともあり、若林さんと春日さんの苦悩を常に間近に見ていたのでしょう。
コンビとしても「一人の人間」としても色々と相談に乗ってもらったというエピソードがあることからも、前田健さんの人間味がとても伝わってきます。
藤井隆さん演じる谷勝太からは、そうした前田健さんの魅力がすごく伝わってきますね。
だが、情熱はある 藤井隆モデル谷ショーの「あなた、今幸せ?」がすごく心に刺さる
ドラマの中で、藤井隆さん演じる谷勝太(谷ショー)が若林さん(高橋海人)に対して、またキサラのステージ上で「あなた、今幸せ?」という問いかけるシーンが度々あります。
これは前田健さん自身を象徴するとても大切なフレーズで、前田健さんがセクシャルマイノリティーであることに由来しているようです。
前田健さんは2009年に「それでも花は咲いていく」という名前の書き下ろし小説を発表し、2011年には映画化されています。
内容は、小学生の女の子への許されぬ恋心を描く男の話、醜い容姿のために人から避けられながら他人の部屋に侵入することを生きがいとする男の話、亡くなった最愛の母に想いを馳せる男の話。
いずれもセクシャルマイノリティーをテーマに、人には言えない悩みを抱える男の話が題材となっており、どの話も前田健さん自身が経験してきた「生きづらさ」がテーマの根幹になっています。
ストレートの男性を好きになってしまうことが多かったという前田健さんは何度も何度も失恋を経験してきたのだそうです。
好きになった相手を幸せにすることができない自分と世の中に生き辛さを感じながらも、人を好きになる清らかさを信じ続けたそうです。そんな苦悩を重ねて生きてきた前田健さん(谷勝太)の「あなた、今幸せ?」という言葉にはマエケンさんの心の温かさを感じずにはいられません。
だが、情熱はある 藤井隆モデル谷ショーの「あたし生きてるー!」がとても切ない
持病で長期の入院後、ステージに復帰した谷勝太(谷ショー)。
久しぶりのステージで「あたし生きてるー!」と叫んだシーンにはこみ上げるものがありました。
これまで前田健さんのことはオードリーさんのラジオでのエピソードや、松浦亜弥さんのものまね程度でしか知りませんでした。
今回改めて前田健さんのパーソナルな部分を知りたいと思い、今もまだ残る前田健さんのツイッターで心に残ったツイートを恐縮ながら紹介させていただき、前田健さんを想いながら今回の記事の紹介をまとめさせていただきます。
人はさ、近くの小さな夢と、遠くの大きな夢があったほうがいいね。
— 前田健 (@ken_m614) April 24, 2016
スポーツ選手のインタビューって
みんな「◯◯に向けて頑張りたいと思います。」って言うよね。
「頑張ります。」でいいのにね。
「頑張りたいと思う」のね。— 前田健 (@ken_m614) March 30, 2016
すごく久しぶりに薬師丸ひろ子さんの「セーラー服と機関銃」を観た。うん、やはりいろんな発見があった。いい映画でした。たしか生まれて初めて自分で金払って観に行った映画がこれ。
— 前田健 (@ken_m614) March 25, 2016
「うわ。面白そう。」とか「やってみたいな。」と思ったことは全部やりなさい。恥ずかしいとか、大変そうとか全部乗り越えて。オッサンオバサンになってから後悔しても遅いのだよ。
— 前田健 (@ken_m614) March 13, 2016
また失恋した。片想いが終わった。期待してた時間は楽しかったけど、その分胸のポッカリ空いた穴がでかい。
— 前田健 (@ken_m614) February 22, 2016
卑屈な気持ちになればSNSにおける人のつぶやきなんてどんなものでも自慢に聞こえてきて嫌な気持ちになるもんさ。だからそんな気持ちでいるのはやめた方がいい。人の喜びも喜べる気持ちをね、持たないと。
— 前田健 (@ken_m614) January 7, 2016